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海のハーブ食堂 by 草原に海」が
生まれたストーリー

2023年08月13日

海藻は陸上植物の原点。もっと気軽に食卓に登場する景色をつくっていきたい

海藻に導かれ、海藻のことを調べていくと、陸上植物の原点であるという事に辿りつきました。生命の誕生には海が深くかかわっていることは知っていましたが、改めて考えてみると、とても納得しました。

海藻は私たちの体に必要なビタミンやミネラル、水溶性の食物繊維が大変豊富なので、美容、健康を目的に日常的に取り入れていきたい食べ物。

しかしながら海藻は、乾燥した状態で販売されていることが多く、水戻しが必要で手間がかかるイメージがあるので、扱い方に苦手意識のある人が多いと感じます。さらに色も形も地味で、なかなか主役にはなりづらい。そんなイメージを変えて、もっと手軽に食卓に登場する景色をつくっていきたいと思いました。

「海藻は海のハーブ。」新しい食べ方を楽しんでもらえるポップアップ食堂をスタート

陸上には、ハーブと言われる植物が沢山あります。ハーブと聞くと効果効能があって、おしゃれで日常に取り入れやすいイメージがある。そこからヒントを得て、海藻が海の植物ならば、陸上の植物(ハーブ)と同様に、“海のハーブ”という考え方が出来ないかと思いました。

色鮮やかなスープの上に添えても良いし、デザートやハーブティになってもいい。可能性は沢山あると思いました。

梅と海のハーブシロップソーダ
海藻のブラウニー

そして海藻を“海のハーブ”として捉え、様々な種類と新しい食べ方を楽しんでいただける場所を作りたいという想いから、今回のポップアップ食堂「海のハーブ食堂by草原に海」をスタートさせました。

第一弾プロジェクトとして海藻寿司にチャレンジ

日本人といえばお寿司。海外の方からも日本のイメージとして真っ先に上がってくるような伝統ある食べ物です。

今回、そんなお寿司をテーマとしたのは、すでに知られている海藻、まだ知られていない海藻も含めて一つ一つの海藻を主役にしたかったからです。

そして寿司といえば、魚介類を使用するイメージが強いと思いますが、今回は動物性の食材を敢えて使用しませんでした。それは、海藻のもつうま味や風味をダイレクトに伝えたいと思ったからです。また、地球温暖化の原因の一つとして言われている温室効果ガスの問題にも海藻が寄与しています。海藻はCO2を吸収して成長するため、地球温暖化対策としても注目されてきているのです。海藻食を普及させることは環境問題への取り組みにもつながると考え、今回のメニュー開発に臨みました。

函館で出会ったこだわりの真昆布。生産者と消費者をつなぐ架け橋でありたいという思いの芽生え

メニュー開発をするにあたり、「まずは海藻を知ろう!」と、今年の5月末に函館へ飛び立ちました。北海道大学発のスタートアップの北海道マリンイノベーション・布村社長、梅津部長に生産現場を案内いただきました。

そこで出会ったのは、昆布漁の達人の岡山さんとその岡山さんが丹精込めて育て収穫し、丁寧に乾燥された真昆布でした。その真昆布は、今まで見たことがないような厚みと固さ、そして平らで滑らかな姿。この姿こそが、昆布のうま味が凝縮されたものだと知りました。

昆布は、生の状態で全長約10メートルにも成長します。それを1枚1枚手作業で、お手製の干場に吊るしてから板締めして乾燥させていきます。ー干す際に丸まってしまうので、お酢に漬けて柔らかくして乾燥させるものもあるそうですが、そうすると、酸味が強く、昆布本来のうま味を味わえなくなったので、岡山さんの真昆布では使っていません。

岡山さんは、乾燥の工程をとても大事にされていて、うま味を逃がさないような工夫を凝らしていました。

私達一般消費者には伝わってこない、生産現場での苦労や想い。この現実を知ったら、きっと誰もが生産者さんを応援したくなると思いました。私たちが出来ることは、生産者と消費者をつなぐ架け橋となること、そう思いました。

海藻寿司が提案する海藻の新しい食べ方

岡山さんの作っている商品は、真昆布一つをとっても、ラインナップが多いことにも驚きました。出汁用の板状の物から、パウダー状の物まで様々。こんなにも色々な楽しみ方があることを知りました。

例えば、今回の海藻寿司では、しゃりに真昆布のパウダーをまぶしたり、クリームにダルスとあおさの海藻フレークを混ぜたものを乗せるなどしており、新しい食べ方の提案になればと思っています。